奇想プロレスと常識人プロレス
こんな本を作りました。
「洋泉社MOOK『プロレス・格闘技 超“異人”伝』」(「[B面]犬にかぶらせろ!」より)
http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20060308/p1
速水さんの企画をちょっと手伝わせてもらいました。
こちらが目次です。
http://mirror-ball.net/mokuji.html
インタビューはどれも壮絶な内容。話が面白い人はプロレスも面白い。ちなみにプロレスの試合の話は全体の1%ぐらいなので、最近プロレスや格闘技を見ていない人でも安心して楽しめます。
昔からトンパチとか狂気とかいう言葉で繰り返し語られてきたことですけど、プロレス界には変わった人、思想家、異能者みたいな“奇想の人”、“超異人”の人材の宝庫。大仁田厚がタレントとしてテレビに出たり国会議員になったりしてるのは、彼が常識人だから。
坂口征二、蝶野正洋、三沢光晴、秋山準、高山善廣、天山広吉、小島聡、鈴木みのる……。プロレス界の常識人を思いつく限り挙げていくとこんな感じかなぁ。天龍もそうか。みんなちゃんと試合ができて、ビジネスができる人たち。武藤敬司も最近はこっち。要するに今活躍してる人たちだよね。常識人プロレス。
長州力、佐々木健介、小橋健太、中西学あたりは筋肉系のライン。とりあえず鍛えてみよう、話はそれからだ、みたいな。一見面白そうだけど、何か考える前に身体を鍛えちゃうから話が面白いわけではない。
やっぱり常識の範疇で行われるプロレスって魅力に乏しいと思うんです。NOAHとか、いい試合してるんだろうけど、見てても眠くなっちゃうから。
そういえば川田利明ってどのへんなんだろう? 奇想でもないけど、常識人でもないような気がする。ちょっと底が見えない。怨念系? 破壊王は天然系。新日本プロレスにいた頃の武藤もそう。小川直也がいちばん輝いていてのは「何考えてるかよくわからない」と思われていた時期だった。ZERO-ONEに参戦してたときもハラハラしてたもんなぁ。いつかキレるんじゃないか、って。