DQNとサークルクラッシャー

putchee-oya2005-04-22



一連のお話、全部ではないですが、ちょいちょいと目を通しております。なかなか面白いです。


「このキーワード編集した奴誰よ?」(「いなかっぺ大将で爆笑するような奴が書いてる日記」)
http://d.hatena.ne.jp/ssan/20050420#p2
サークルクラッシャー」というキーワード解説について物申しております。こんな部分。

サークルクラッシャーに関するリテラシーは、モテ度(つまりDQN度)がある程度高いコミュニティでは、「おばあちゃんの智恵袋」的な教養として受け継がれている。

キーワード編集者がすでに書き換えてしまったそうなので、孫引きしてみました。


ちなみに、現在はこうなっております。

サークルクラッシャーに関するリテラシーは、モテ度(つまりDQNの概念に含まれる「性への奔放さ」度)がある程度高いコミュニティでは、「おばあちゃんの智恵袋」的な教養として受け継がれている。

この書き換えについて、コメントを寄せている人が。


「今日の戦線」(「おれはお前のパパじゃない」より)
http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20050421/1114047003

追記:その後、id:otsuneさんによってキーワードがヲタ・DQN双方(?)から文句の来にくい内容に編集されたので、ちょっとこのエントリの意味が通りにくくなった。

んー、ちょっとよくわかんない。どういうことだ?


いなかっぺ大将〜」に戻ります。

モテ度=DQN度?
はあああああああああああああああああああああ?*1
なに? 自分がモテないのはDQNじゃねえからってこと? 良識ある善人だから女がよってこねえって言いたいわけ? クソが・・・。
こうやって「自分は悪くない悪いのは全て他者」みたいなヲタク病は不愉快ですね。

Sくんがまずヒートしたのは、最初のキーワード解説にあった「モテ度(つまりDQN度)」という部分について。で、それが「モテ度(つまりDQNの概念に含まれる『性への奔放さ』度)」と書き替えられたわけだ。
えー、たいして変わってないように見えるんですが。
だって、「モテ度」ってことは、異性(この場合は女性のことだろう)にモテる度合い、ってことでしょ? で、その女性にモテる度合いってのは、「性(この場合はセックスのことだ)への奔放さ度」とイコールで結ばれている。で、セックスに奔放である、ってことは「DQNの概念に含まれる」らしい。ってことは、やっぱり「モテ度=DQN度」ってことじゃん。まったくイコールじゃなくても、ニアイコールでしょ。このキーワード書いてる側のメンタリティは変わってない、ってことだから、「ヲタ・DQN双方(?)から文句の来にくい内容に編集された」とは思えません。


あと、「性に奔放な人」がDQNの概念にひっかかるなら、オタキングなんかもDQNなんですか?


もう一丁。書き換え前。

ので、発生しても比較的みんな落ち着いて行動しているし「ああ、あいつってそういう女だよね」的に流されることが多く、コミュニティ崩壊にまで達するケースはすくない。
しかし、ハイソで文化度の高いコミュニティになるにつれ、単色デッキに紅一点というケースが増えていく。

「ハイソで文化度の高いコミュニティ」というよくわからない表現が使われています。これに対するリアクションは非常に多かったようです。


書き替え後。

ので、発生しても比較的みんな落ち着いて行動しているし「ああ、あいつってそういう女だよね」的に流されることが多く、コミュニティ崩壊にまで達するケースはすくない。
しかし、ハイソで文化度の高い(つまり「性へのビビリ」度が高い)コミュニティになるにつれ、単色デッキに紅一点というケースが増えていく。


もうひとつ、書き替え後。

「ハイソで文化度が高い」は、要するに「DT力が高い」「恋愛に慣れていない」を皮肉的に言い換えただけ。

「DT力が高い」「恋愛に慣れていない」「性(セックスのことだろう)へのビビリ度が高い」文化系サークルの人たちのことだそうです。そんなせつない人たちに皮肉とか言っちゃダメだろう、キーワード編集者よ。だいいち、そんな皮肉、理解できないから、みんな「オタクが自分たちのこと“ハイソで文化度が高い”って言ってやがる。バッカじゃないの」って思っちゃったよ?


サークルクラッシャー、あるいは、必ずや名を正さんか」(「他人の脳内」より)
http://d.hatena.ne.jp/another/20050419/1113919416

しかし僕は、「サークルクラッシャー」という言葉を何の疑問もなく使用している論者たちの見識を疑う。というか、この命名に隠された差別根性が信じられない。解説文のような環境に置かれた女性に「サークルクラッシャー」という名前を奉り、あたかもサークル崩壊の全責任が女性だけにあるかのような印象操作をするとは何事か。問題の女性を増長させたのは誰だ? おまえら経験値の低い野郎どもに他ならないじゃないか!
その辺の責任を不問にしたうえで、あたかも全責任が女性だけにあるかのような術語を作り、自分の安全な立ち位置を確保してから議論をしているさまは、男として、いやそれ以前に、人として最低だと思う。卑怯すぎる。こういう議論をするならば、まして所謂「サークルクラッシャー」的な女性に論者自身が弱い自覚があるのならば、きちんと自分も傷つき得る言葉を選ぶべきだと思う。

この文章を読んでもわかるように、「キーワード編集者」イコール「サークルをクラッシャーされた(されるような)人」という共通認識が読む側に出来ている。それはなぜか? キーワード編集者のIDをたどって日記を読み、「あ、こいつセックスビビリのオタクなんだ」と判断するなんて面倒くさいからね。


最初の話題にギューンと戻るが、それはひとえに「DQN」という言葉の使い方の問題だと思う。
僕は以前、この「DQN」という言葉の意味がよくわからない、と書いたことがある(そのとき、意味をレクチャーしてくれたのはSくんだった)。


「オタクメモ」
http://d.hatena.ne.jp/putchee-oya/20041214#p1

あと、「オタクとDQN」(このDQNって言葉、よく知らなかったんだけど、ヤンキーって意味なのね)というふたつの分類がされています。オタクはDQNが「根拠のない自信」を持っているように見えるそうなんだけど、「体育会系と文化系」っていう枠を当てはめればちょっと理解できるかも。学生時代の体育会系ヒエラルキーに飲み込まれているから、自信を持っていたり持っていなかったりするんじゃないのかね?(そう見えたり、見えなかったり)。体育会系ヒエラルキーに飲み込まれたまま、オドオドしちゃってコミュニケーションスキルを磨かず、社会に出てバリバリ働きもしない人たちってのは、もうヤンキー(というか、実社会で大きな声を出す人たち)に対してコンプレックス丸出しというか。

引用長くてスマヌ。これにリファラを飛ばしてきた人がいた。


「反応 -笑いどころ-」(「渋谷系はてな」より)
http://d.hatena.ne.jp/bmp/20041215/1103170716

この人が通して見たなかでは、一番オタク離れ、ヲタ実態離れしてておもろい
もしかしたら自分が、オタクでドキュンである自覚が無いだけの人かもしれないという嫌らしい見方も含めておもろい

おれは「オタクでドキュンである自覚が無いだけの人」なのかもしれないのか!? 


ちゃんと親切にもDQNについて教えてくれているので孫引きしてみる。

ドキュン【どきゅん】[名]
人生に確固たる目的も持たず、反社会的な行動をとったり、自堕落な生活を送る者の蔑称。この言葉を最初に使ったのは「マミー石田」氏とされる。石田氏は氏のウェブサイト上で、学歴の低い者が「目撃ドキュンテレビ朝日)」の出演者のような荒んだ人生をおくるのは必然であるという趣旨の発言をしている。このように、もともと「ドキュン」は低学歴者に対する言葉だったが、現在では、社会常識に欠けている者、または知性に乏しい者全般を指す。

えー、大変申し訳ないのですが、やっぱりわかりません。いちおう「社会常識に欠けている者、または知性に乏しい者全般を指す」という結論が書いてあるわけだから、おれはオタクであり「社会常識に欠けている者、または知性に乏しい者」である自覚が無いだけの人であるかもしれない、とid:bmpさんに言われたわけだ。なにおーこのやろー! 


まぁでも、たしかにモテたいし、性にはビビリたくないし、「あいつ性にビビリだぜ」って言われるよりは「あいつ、性に奔放だよな」と噂されたいおれとしては、立派なDQN予備軍(なりきれてないから、あくまで予備軍)なのかもしれないね、てへ。


ちなみに「DQN」のキーワード解説の場合は、こんな感じ。

「目撃ドキュン!」というテレビ番組が語源で、なみかれのマミー石田氏が創作した。
この番組は主に、元ヤンキーが不幸に育ってきた少年少女時代をさらけだす番組だった。
よって、不良や反社会的な人を指す言葉として使われている。
また最近は、労働基準法を完全無視、サービス残業当たり前の会社の事を「DQN企業」と呼んだりもする。
ドキュン」「ドキュソ」も同じ意味。

これだけ読めば、僕が書いた「ヤンキーって意味だったのね」という一節は間違いではない。


しかし、実は同義語とされる「ドキュン」のキーワード解説のほうがかなり長い。一部を除いて引用する。

1.自分や家族、もしくは友人などと一緒にTV番組「目撃!ドキュン」に出演し、何の疑問もなく国民に対して醜態を好んでさらす人種、一般的に低所得者階層に限って広く見られる現象。
2.低学歴で、第一次産業第二次産業に多く従事すること。また、その人。
3.侮蔑の意味。斜に構えて世の中を見る。また、そういう人。

ドキュンの特徴
外見・・・茶又は金髪、前歯差し歯(トルエンで失う)            
学歴・・・中卒又は高校中退、専門校終了。大学進学率 O.O0O000O25%     
職業・・・(男)大工、ライン工、左官、土方など肉体労働に多く従事。
      (女)水商売、風俗、トリマー、主婦など。

家族構成・父はドカチン又はドラック野郎、母はパチンカーで慢性的に肥満。兄弟4人以上が標準家庭で、刑事事件を若年期に起こす事が多い。夫は父の相似形。家族中がパチンコ・競馬・賭け麻雀などギャンブルに夢中。 妻は昼間テレクラに夢中になるか、もしくは幼児虐待に走りやすい。また、ブランド志向が高く(特にシャネルを好む)浪費癖である場合がほとんどである。バツイチ予備軍で離婚率が非常に高い。自己愛的傾向が強い。 

家庭環境・長屋もしくは安アパートに住む。家族中が自己怠慢であるため、近隣住民からは白い眼でみられるが、鈍感であるため気づいていない。普段はインスタント食品・コンビニ弁当を主食とする。一般に彼らにとってはカレーがご馳走である。

ドキュンの巣窟」こと2ちゃんねるで広まった。
2ちゃんねるやインターネットの外で使うと使った本人もその「ドキュン」の同類と見なされる上、確実に社会人としても恥ずかしい言葉。

最後のパラグラフで多少のフォローは入っているが、本当に酷い文章である。つまり、「気に入らないヤツ」の総称なんだろう。だからここには書かれていない「性への奔放さ」なんかも「DQNの概念」なるものに含まれてしまうのだろう。


では、誰にとって「気に入らない奴」なのか。それは言うまでもなく、オタクである。


「DQN」と「サークルクラッシャー」。それはいずれも、オタクのオタクによるオタクのための、オタクという立場・視点に立脚した言葉であり、ネーミングであり、敵なのだ。


もうホント、オタクなんてロクなものじゃないね。

*1:デカい字です。