破壊なくして創造なし


いきなりですが、オリジン弁当の話題です。


「ドンキ、オリジン東秀TOBを断念」(「朝日新聞」より)
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/keizai/20060210/K2006021001400.html?fr=rk
ちょっと前から話題になっていた、ドンキホーテによるオリジン弁当TOBがいったん打ち切られたようで。


オリジン弁当、いいよね。おいしいし。あんまり使わないけどさ。


で、オリジン弁当っていうと、いつも話題になるのが原理研統一教会について。原理=オリジン……むにゃむにゃ……オリジン弁当の背後には統一教会がいる!って話。


google:オリジン弁当 統一教会


うーむ、いろいろあるなぁ。話題のもとはだいたい2ちゃんねるっぽいけど。んでは、オフィシャルサイトを見てみましょう。


オリジン東秀
http://www.toshu.co.jp/
もとは中華料理屋さん。会社沿革によると、創業者の安澤英雄氏が有限会社東秀をつくり、中華料理店をオープンしたのは1966年(今年で40周年!)。弁当販売を手がけ、その名が「オリジン弁当」になったのは1994年のこと。意外と最近のことなのね。当然ながらっちゅうか、「統一教会」という文字は見当たらない。


安澤英雄氏は02年に死去している。その後を継いだのは現社長の山崎泰弘氏。山崎氏は別会社に勤務していたが、安澤氏の猛アタックを受けて転職している。


ビジネスパーソン半生記 山崎泰弘氏」(「日経Bizキャリア」より)
http://bizcareer.nikkei.co.jp/contents/skillup/0402bpn_yamazaki/p_002.asp

「安澤さんからのスカウトは97年に胃ガンを発見されて以来、何度も何度もありました。私は96年からいなげやの書店子会社『よむよむ』の社長をしていました。『よむよむ』は業績が悪化していて再建を任されていましたので、『辞めるわけにはいきません』と断るんだけれど、いくら言ってもきかないんですよ。『あんたしかいない』と毎日説得の電話をかけてくる」
「早朝5時ごろに私の自宅に電話をかけてきて『会ってくれ』と言う。仕方がないから、出社前に郊外レストランなどで会い、相手の説得話を聞き『ほかを探してください』と断るわけです。ところが、『これで終わりか』と思うと、また夕方に電話がくる。『明日、会ってくれ』と」
「勘弁してよと言ってもだめ。病気の再発を恐れていたからか、(安澤さんの行動は)鬼気迫るという感じでした。とくに99年になってからの攻勢がすごくて、私は安澤病で3日間寝込んだこともあります。だけど2000年に入ったときに転機が来たんです。その年の1月に胃がんと糖尿病の闘病を続けていた私の父親が81歳でなくなった。そのとき、父親の姿が一瞬、安澤さんとだぶりましてね。それがオリジン入りを承諾するきっかけになりました」

すげぇ。もうすでに軽いストーカーだ。訴えれば勝てると思う。一念岩をも通す。


オリジン東秀の企業理念。
http://www.toshu.co.jp/company/philosophy.html

1.「創造と破壊」に挑戦いたします。

破壊なくして創造なし! ここにも生きていた破壊王イズム!


なーんかもう、原理がどうとか、どうでもよくなってきちゃったなぁ。こうなったら断然、オリジン弁当応援しますよ。


最後に、故・安澤氏のインタビューより。
オリジン東秀 代表取締役会長・安澤英雄様、ご追悼」(「加藤幸子のアグリレポート」より)

私は明治大学に入学後、全学連学生運動をやって、政治家や財界人から権力を奪して社会を変えようと思っていました。ですから政治家や財界人ではなく、「お客さん」にこそ喜んでいただく、それが社会の中で自分の理念を実現できる会社であると考えています。それが創業の原点でもあり、今でもそれは変わりません。

ビジョンと行くべき方向さえ間違わなければ、方法や手段は次々と進化してくるのが当たり前で、それが創造的破壊です。

ガンを患いながら、自分の身体をリトマス試験紙にして(添加物の入ったものを食べると途端に身体に不調をきたすような状態だったらしい)メニューを開発し続けた安澤会長、カッコいい! モロ団塊世代だったけど、こういう人もいたわけよねぇ。